2007年03月30日

幻想水滸伝3─運命の綾糸の継承者

人間、いい行いをしていると報いがあるもの。
部屋のそうじをしたら、捨てたと思っていたマンガが出てきた。
(あまりにわかりやすい因果関係でセルフツッコミもできない)

志水アキ「幻想水滸伝3 運命の継承者」(メディアファクトリー)
の発掘成功。

売ってしまったらしいと書いたばかりだったので、安心して嬉しかったり「もちょっと早く出て来れないのか」と腹立たしかったり、複雑だ。

で、さっそくユンが出てくる箇所(4巻)を読み返す。
……うん、ずいぶん記憶に間違いがあるようだ。
以下、備忘録として書いておく。



クリスとナッシュがアルマ・キナンにたどり着き、ユンと「縁」の話をするくだりでのユンのセリフを、記憶に頼った記事では、私はこう書いた。

「たとえば、とおり雨に降られて、2人の旅人が半刻を同じ木の下で過ごす。
 2つの水の流れが土をつたってある場所で1つに結ばれる。
 そのことを縁というのです。
 そうして、あなたがたは、その縁に導かれてここまで来た。
 このことを定めと言わずに何と言いましょう」

しかし実際には、こう。

まずユイリに「縁(えにし)」のことを聞き、クリスがそれはどういうことかと聞き返す。
そこでユンがこう言うのだ。

「例えば、2つに分かれた道に遭った時……
 ふと蹴った小石に導かれるような時、
 にわかな雨に、雨宿りをした木の下で
 同じく雨宿りをしに訪れた者との出会い」
「それらはすべて精霊の紡ぐ見えない『糸』によって導かれたものである……
 グラスランドでは、そのような考え方をします」
「人と人、時と時を導く、運命の綾糸……、
 それが『縁(えにし)』です
 貴女のお父様も、縁によって導かれ
 貴女のお母様と出会い、産まれたのが貴女なのです
 予言が実現されようとしてる今、貴女もまた、
 自身の数奇な運命に導かれ、この村を訪れた――
 これが縁でなくて、何でしょう?」


えー……「2つの水の流れが」というのは、何か別のマンガか本か映画あたりとまざって私が捏造してしまったようだ。
が、大意は合っている……と思いたい。

せっかくなので、もう少し。

さて、クリスは、自分が産まれた育ったことや、自分がどんな思いでこの村を訪れたか(クリスは幼い頃に父親が失踪してしまい、父親の影を追い求めながら女の身で騎士団長にまで登りつめ、この村には父親の足跡をたどるため騎士団を抜けて追いかけてきた)、そして戦争のことまで、
「縁の一言で片付けるつもりか!?」
と激昂する。
するとユイリが答える。

「鉄を纏い、石の上に住み、
 精霊たちの声から耳を遠ざけている貴女方にとっては
 にわかには信じがたい事だろうが……、
 悪しき事、忌まわしきものさえも含めて、
 我々は『縁』と呼ぶのだ」


そこで完全に怒ったクリスは部屋を出て行く。
が、夜になってユンの魂送りの儀式のときに起こされ、ユンと会話を交わす。
(この部分のゲーム版のユンのセリフはこの記事のとおり。
 こちらには間違いはないはず。
 何故ならゲーム2周目の時、プレイしながらセリフを書き留めていたから)

「今夜、封印の鍵を開くため、私の命を祭壇に捧げます」
といきなり核心に触れるユン。愕然とするクリス。

クリス「命を捧げるとは、どういう事だ!?
     まさか儀式のために死ぬとでも?」


ユン「封印を解くためには、霊力の強い人間の魂を使う必要があるの
    それに死ぬのではなく、精霊になるの
    精霊の魂は永遠よ
    むしろ誇りさえ感じるわ」

   「私一人の命で多くの命が、助かるかもしれないの
    しかもそれは私にしかできない役目……
    誰に強いられたわけでもない
    自分で選んだ道なの」


クリス(この娘は……
     自分の信じるもの、そして自らを信じて、
     迷う事さえないのか。
     それに比べて私は、自分さえも信じられずにいる……)


ユン「お父様に、会いたいのでしょう?
    だったら、会うべきだと思うわ」


クリス「私は父に、会うべきではないのかも……」

ユン「どうして?」

クリス「私は……クリス・ライトフェローは、
     父ワイアット・ライトフェローに捨てられたのだ」

    「父の事を知れば知る程、思い知らされる……
     父の心の中に、私が入り込む余地はないのでは……と」


実際、その頃にはすでにクリスの父親はクリスの敵側についていて、クリスに会うことは許されることではなかった。
ここでクリスの父ワイアットの回想が入る。

ワイアット「銀の乙女?(クリスの二つ名)
        俺は逆に心配だ
       そんな名前が重荷になってやしないか
       周りの期待に応えようと、無理をしてるんじゃないだろうか
       いや……俺には、こんな心配する資格なんてないか
       追っ手から逃れるためとはいえ、家族を捨てたんだからな
       妻の最期さえ、看取ってやれなかった
       こんな父親じゃ、憎まれていてもおかしくはないよな……」


ユンはワイアットのそんな言葉にクリスの言葉を重ねて、「二人ともそっくりなんですもの」と笑う。
そしてはっきりと断言する。

ユン「クリスさん、
    ワイアット様は……、
    あなたのお父様は、
    間違いなくあなたを、愛してらっしゃいます」


押し留めていた涙を一気に流すクリス。
ユンを抱きしめて、小さく叫ぶ。

クリス「お父様、会いたい……!」

この後ユンは魂送りの儀式に出向くことで別れが訪れるが、行こうとするユンの前でクリスは跪き、左手をとってキスをする。
最初はグラスランドの民を「蛮人」としていたクリスだが、ここで「ゼクセン流の敬意の表し方だ」と言って、お互いに出会えたことに感謝するのだ。

マンガ版ではさらに儀式が終わった後、雨が降り始め、ユイリが「ユン……お前か」と天を仰ぐ場面もある。


ゲームの「幻想水滸伝3」は、ラスボスが前作の仲間(しかも1から登場していた人気キャラ)という悲惨な設定のために賛否両論あり、私個人もシステムなどに多少の不満はあるが、キャラそれぞれがドラマチックに立っているという点では大好きだ。
天魁星ではないが、主人公の1人として女性キャラ(クリス)を動かせるのも魅力の1つ。
マンガ版はクリスの視線で描かれている部分が多く(そのぶんゲドの出番はちょっと少ない)、幻水3をまた違った切り口で味わうことができる。
マンガオリジナルの描写の細かさが美しい。
ゲームに不満のある方には是非おすすめしたい。

最近ようやくこの作品が完結したらしい。
「売った」と思いこむくらいだから、必然的に途中までしか読んでいない。
私もちゃんと最後まで読もうと思う。


ちなみにユンというキャラは私にとっては何となくなじみ深いキャラだ。
そんなに長い間いるわけでもないのだが、幻水3というゲームに言いようのない深さと重みを残して去っていった。
幻水シリーズを通して最もインパクトのある脇キャラだと思っている。
1のオデッサに匹敵するな。


こうやって思い出すと、やっぱりいいなぁ、幻水……!
またプレイしたくなってきた。
そういえば3はゲド編をまだクリアしていないから、「ゲド戦記」を読むかたわらにこちらもいくか。
でも5もリプレイしたいなぁ。迷う。

「でも幻水リプレイがわたしの役目。
 多くの人々が幻水108星エンディングを見ることなく……、
 いえ、ゲームすら知らずに死んでゆきます。 
 それに比べたら、わたしはしあわせ。
 そして、悔いはありません」


そうなのだ。悔いなどは微塵もないのだ。

「そうであるなら、私のゲーム魂は永遠でしょう?」

at 00:07│Comments(0)TrackBack(1)幻想水滸伝 

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